12万円で世界を歩く (朝日文庫)
下川 裕治

定価: ¥ 756
販売価格: ¥ 756
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おすすめ度:

発売日: 1997-02
発売元: 朝日新聞社
発送可能時期: 在庫あり。
格安の旅によって世界が見えてきます
本書の元になったルポが下川裕治氏によって『週刊朝日』に連載された1988年当時、円ドルレートは140円で現在のように為替レートの感覚とは相当違いますので、それぞれの旅に載せられた明細書の中身もあまり参考にはなりません。インターネットの時代に入り、宿の予約も、格安航空切符の入手も流通経路が変わり、飛躍的に便利になりました。
それでも本書に流れている貧乏旅行の醍醐味は、時代を超えて伝わってきます。安宿を探して歩き回る筆者とカメラマンの苦労は凄まじいものです。お金が底をつき、悲惨な状況に陥ることもありますし、アジアを縦横無尽に走るオンボロバスでの移動は過酷ですし、悲壮感も漂っています。特にシルクロードを巡るバス旅の過酷さは臨場感を持って伝わってきました。
毎回違う国々を訪れています。カメラマンが替わるのは、一度この過酷な旅を経験すると誰もこの仕事を引き受けなくなる、ということなのでしょう。現在の世界情勢の悪化の中で、このルートをたどることは至難の技になりましたから、余計にこのルポの内容は貴重になっています。
200ページから書かれている船旅も同様で、上海に係留していた鑑真号を見ましたが、当時は書かれているように、バックパッカー御用達の格安の上海への船旅でした。それ以上安い航空券が入手できる現在また違った役割を果たしているのでしょうか。
ガイドブックは旅に出る前の精神安定剤のようなもので、それより1巻のガムテープや蚊取り線香立てのほうが役に立つ、というコメントは実に重要な考え方です。「12万円の旅」の真骨頂を表すコメントだと受け取りました。「金をかけない旅でなければ見えないものもある」という言葉の重みは本書を読了した時に共感したものでした。
国境を越えることが大好きな著者のデビュー作
12万円でどこまでも行ってみようという本。
その12万円には,例えばバンコクまでの往復航空券も含んでいるので,残金で移動しなければならず,食費もそこからという,つまりは極貧の旅になってしまうわけで・・・
国境を越えることが大好きな著者のデビュー作(かな?たぶん)
貧乏旅行の参考書。旅のイメージが湧きます。
沢木耕太郎の「深夜特急」が小説として面白いとするならば、「12万円で世界を歩く」は実用本として面白さがある。文中には多数の写真と共に旅の交通手段や費用が詳細に掲載されており具体的な旅のイメージが掴みやすい。
ヒマヤラ・トレッキング、神戸から揚子江への船旅、北京発ベルリン行き列車の旅、神戸からアテネ、シルクロードの旅などなど、こんなことも出来るのか、こんなことも出来るのか、と目から鱗的な面白さあり。
ただし、本作品は、週間朝日の貧乏旅行連載記事を本にまとめたものであり、「電波少年」的なのりでとにかく企画のコースを走破しようというところばかりに力点がおかれ、旅本来の面白みに欠けるところがある。沢木耕太郎だったら100頁くらい費やしたところが、僅か数行で終わっていたりする。さらりと読み流すところに面白さがあるのかもしれない。